2011年4月11日月曜日

JBL4341を聴いてきた


IKAZUTIとの対比でJBL4341(中古)を聴いてきた。ちょっと寄って比較試聴のつもりでしたが、これはすごい。JBL4341は、発売後40年ですがまったく色焦せていないどころか心を打つサウンドでした。はっきり言ってマイリマシタ。3時間もいろいろとお話しさせてもらいました。

●JBL4341の特徴(4343と比較試聴もしました)
  −allアルニコ(コバルト)のユニットで、アルニコは音にキレがありました。
  −4343や4344と比べてユニットがまとまっているので、音が散らばらない。
  −同じく対比で、バッフルボードが固定で接着方式なので音に締まりが出る。
  −最新のJBLを買った人が、JBLビンテージに戻ってくる例は少なくないそうです。音作りの本気度が昔はすごかったとしか言いようが無い。ボックスも昔は天然木ですが、最近は木目シートを張っているとかなど。
  −この4341を個別に狙っているユーザが多いようです。価格を見ればわかりますが、まだ新しい10〜30年前発売の、4343、4344とかの中古より2割は高いですね。
  −4341は世の中に玉が無いので滅多に中古が出ない。上中下では、この製品は上の様です。

●IKAZUTIやB&W802Dとの対比では
  −定位では、IKAZUTI
  −音の張りでは、4341
  −音の透明度では、4341
  −低音の解像度では、4341
  −JAZZ女性ボーカルでは、IKAZUTI
  −ラッバ、ピアノ系では、4341
  −クラッシックは、B&W802D

●参考文献
1974年、JBLプロシリーズの4wayモニタースピーカーとして華々しくデビューしたのが、この4341です。しかし、日本での販売台数は少なく、後の大ヒットとなる4343の登場に押され、ほとんど流通することはありませんでした。ウォルナット仕上げのWXと、グレー塗装、シルバーフィニッシュのSFとの、2ラインナップがあり、特にこのシルバーフィニッシュは数が少ないため、現在、コンディション良好なモデルを手にすることは困難となっています。今回の4341はワンオーナー品、オリジナル状態でこの美しさです。

15インチユニットを搭載した4wayでありながら、4343よりもコンパクトなキャビネットサイズは、大き過ぎず、小さ過ぎず、設置に最適な容積です。4343では時にだらしなくなってしまう低域再生も、しっかりとダンピングの効いた描き分けのできる音階表現が可能です。4345と同じく、底面に袴を履いていることも、特徴のひとつです。

デバイディングネットワークは、4341という、シングルドライブ専用設計です。4343、4344では、マルチドライブへの移行が可能で、より思い通りに音作りをするためには、欠かすことができない領域ともなっていますが、シングルドライブでここまで気持ちよく鳴ってくれる4341は、往年のプリメインアンプや管球アンプとの組み合わせが最もよく合う43XXスピーカーと言えます。難しいことを抜きにして、好きな音楽を心地よく聴かせてくれる良い製品だと痛感します。現在、そのような機種が本当に少なくなってしまったことが残念ですね。

標準では2405の位置がアシンメトリーですが、ブランクパネルとの入れ替えを行い、シンメトリーに変更済みです。

オーディオ評論家、故・瀬川冬樹氏も、この4341を愛用されていました。4343からのJBLスタジオモニター人気の原点となった尊いスピーカーです。当方としてもストックしておきたい一組ですが、今回は、探されているコレクターの方のために、貴重な一品を出品いたします。どうぞ、懐かしきあの時代の音を心ゆくまでお楽しみください。


4350の開発技術を継承した4ウェイスピーカーシステム。
4340はマルチアンプ方式、4341はネットワーク方式を採用しています。
低域には38cmコーン型ウーファー2231Aを搭載し、中低域には25cmコーン型ウーファー2121を搭載しています。
また、中高域にはドライバー2420とエクスポネンシャルホーン2307、音響レンズ2308を組み合わせたホーン型ミッドレンジを搭載し、高域にはホーン型トゥイーター2405を搭載しています。
各ユニットにはアルニコVマグネット、エッジ巻きリボンボイスコイル、ギャップなどを採用しています。また、中低域用ユニット2121は4340/4341用に新開発されたもので、磁束密度10,000gauss、重量2.9kgの強力マグネットアッセンブリーを採用することで音質向上を図っています。
指向特性は16kHzにおいて水平60゜、垂直30゜となっています。
中低域、中高域、高域のレベル調整をフロントパネルから行えます。
マルチアンプ方式で使用する4340はパワーアンプの他に、ディバイダー5231または5232と、フィルター基板52-5140が必要です。
それぞれにグレー仕上げとウォルナット仕上げの2種類のバリエーションがありました。

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